目次, 遙鎌倉


遙かなる時空の中で3 二次創作。ヒノ望メイン。
 
ヒノエ×望美 : SSなど
ヒノエルート : 遙3ED前。ゲーム沿いストーリー
ED後 熊野編 : 遙3のヒノ望京ED後のお話

遙鎌倉

 「蓮の花が咲く時には、音がするのよ」
 あれは子供の頃、菫に連れられ将臣や譲と共に訪れた鎌倉の八幡様だっただろうか。
 そう言って皺だらけの指先が示した先には、真っ白な大輪の花がいくつも咲いていた。
  ...

遙鎌倉

 「それは、たぶん僕では治せません」
 耳に届いたのは、いつもの穏やかな声音。
 それまで心地よく吹き抜けていた風が、止まった気がした。
 
 
 
 
 
  ...

遙鎌倉

高く澄み渡っていた青空も、淡い茜色のグラデーションへとかわりつつある。
水平線に近づき始めた陽が波間に作る光の道を横目に、望美は砂浜を歩いていた。
太陽が海に接する前には帰らなければ、皆が心配する。
わかってい ...

遙鎌倉

「歩くたびに、鋭いナイフで刺されるような、血の出るような思いをするだろう」
 
 魔法使いはそう言って人魚の姫に、しっぽが足になる薬をわたしました。
 
 
 
アンデルセン童話より ...

遙鎌倉

穏やかに渡る風は、秋らしい爽やかさを孕んでいて心地よい。
グンと伸びをして空を見上げたヒノエは、雲の様子に明日の雨天を悟り、眉を顰めた。
 
今日は朝から九郎たちと、これからの戦の進め方について話し合っていた。 ...

遙鎌倉

 薄墨に、周囲が溶けこみ始める日暮れ時。
 今日も可愛い新妻が、笑顔で出迎えてくれるものだと信じて疑わなかったヒノエを待ち構えていたものは、邸の者たちの困惑表情と、文机の上に置かれた一枚の紙だった。
 
『実家 ...

遙鎌倉

「すごい…」
望美はそれきり黙り込んで、しばし魅入られたようにその景色を眺めていた。
やがて、ひとつ息をつくと隣に並ぶヒノエに微笑んで、「こんなに綺麗な紅葉見たの、初めてかも」と再び山の錦に視線を投げる。
  ...

遙鎌倉

「へぇ、祭っていうから神事みたいなものかと思ってたんだけど」
参道を歩きながら、ヒノエは物珍しそうに賑々しい夜店に視線を走らせた。
「ふふ、市みたいでしょ?」
日が落ちかけた時刻。
徐々に夕闇が濃くなっ ...

遙鎌倉

 「紫陽花って、弁慶さんみたいですね」
庭の紫陽花を見つめながら、そう言って屈託なく笑う君。
移り気な心をうつすように、絶えず色を変える紫陽花は、旗色次第で平家にも源氏にもなれる僕には似合いの花だろう。
「遠く ...