とうらぶ, カノジョの婚活

 セックスの後、彼女がこんな風に寝入るのは初めてのような気がする。大きな枕を抱えるようにうつ伏せて、身じろぎひとつしない。上下する剥き出しの肩もひどく微かで、ともすればこのまま呼吸まで止まるのではないかという儚い動きを横目に、深く吸い ...

とうらぶ, カノジョの婚活

「……ある、じ?」

 彼の声以外、全部の音が消えた気がした。
 ドクン、ドクン、と心臓が自身の存在を主張するように体の内から痛いほどに響く。
 はくりと唇を動かして。けれども音にはならないままに、呼吸するの ...

とうらぶ, カノジョの婚活

 婚活開始を宣言してから、一ヶ月が経った。元々気まぐれな呼び出しに私が応じた時だけ、ヤるだけの関係だ。それが日常から欠けてなくなったところで日々はそれほど変わりはない。ない、はずだった。なのに、仕事が終わる頃にスマホが震えるとつい彼の ...

とうらぶ, カノジョの婚活

「は? もう一回言ってくれ」
 
 裸でベッドボードに寄りかかる男は煙を吐き出し半笑いでそんなことを言う。まあそうだろう。切るか切られるように仕向けることはあっても、相手から切られたことなんてこれまで一度だってなかった ...