誕プレ用にパウーで書いた即興鶴さに

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誕プレ用にパウーで書いたモノなので、500文字縛り。
ここに載せるにあたって改行を足しました。

◇  ◇  ◇    ◇  ◇  ◇

「つまり裳着みたいなものかい?」
「んー、まぁそんな感じかな」

二十才の誕生日。呑んだことがないとは言わないけれど、こんな風に堂々と、しかも舐める程度でなく呑むのは初めてでしゅわしゅわと音をたてているグラスをついまじまじ見てしまう。
お祝いならこれ、と光忠が選んでくれたシャンパンの栓が派手な音と共に天井を打ち、五虎退が肩を竦ませたのはほんの先ほどのこと。
広間に居並ぶ皆は乾杯を済ませた今も私がグラスに口をつけるのを待ち構えている。恐る恐る飲んでみる。
酒気は確かに感じるもののほんのり甘いそれは炭酸の軽やかさに助けられ心地よく喉を滑り落ちる。飲み口はいいのに、お腹のあたりがポッと熱く感じるあたり、やっぱりこれはお酒なんだと改めて感じる。
それを見届けた一同はお祝いの言葉を口にして、あっという間にグラスを空けていた。

「裳着ねぇ…。そうかい。だったらいいな?」
「何が?」

ちびちびとグラスに口をつけながら首を傾げると、隣にいた鶴丸はにぃと唇の端を引き上げた。

「今夜はきみの部屋に行くからな…もう手加減しないぜ?」

かっと頬が熱くなったのは、お酒のせいにしてしまおう。
 
  


 
 
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