秋575ログ

想うとて 誰想うやら 女郎花

しどけなく 濡れてしたたる 柘榴の実

涼風に 媚薬溶かした 絹の夜

君の肌 紅葉色づく 夜想曲

幻と 知りつつ抱く 雨夜月

惑い月 朝にはぐれて 熱い肌

秋の宵 指から零れる 濡れた髪

残り香に あなたを恋ふる 初嵐

あるやなしや 見えない新月 あなたの心

過月にも 変わらぬものか 曼珠沙華

しいの実の 落つるがごとく 恋に堕つ

ありえない もしもを浮かべ 満つる月

無花果を 貪る君の 濡れた指

風の生む 稲穂の波の 黄金(きん)の海

棘ぬいだ 栗の実そっと つつむ君

夕映えの 薄紫に 浄土みる

大地から 血を噴くごとく 彼岸花

金木犀 香だけを我に 贈りたり

幾星霜 永遠を語らむ 曼珠沙華

屍を 血色で屠る 紅葉ばな

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