【読了】営繕かるかや怪異譚

前回の読了メモに書いていた『営繕かるかや怪異譚』読み終えたんですが、思ったほどにはツボりませんでした。

営繕かるかや怪異譚


 

短編集なんですが、家にまつわる怪異が語られ、それをおうちの修繕やらリフォームやらすることで改善する話なんですけどね。
怪異が語られて、でもそれをなんというかさらっと修繕やらで解決しちゃう。その解決があまりにあっさりすぎて、なんかこう私の中で盛り上がらなくて。
たぶん解決がメインじゃなくて、前半で語られるその怪異こそがお話のキモなんですよね。わかります。
ただそこまでして語った怪異も、リフォームひとつで解決できちゃう簡単さに物足りなさを感じちゃう。

そうは書きましたが六話収録されたうちの二話は結構好き。
ひとつは『奥庭より』。
本の裏表紙でも紹介されている本の最初のお話なんですけどね。
祖母から受け継いだ町屋に女性がひとりで住み始めるんですが、奥座敷がひとつ、その襖の前になぜか箪笥が置かれていて使われていないんですよ。その襖が何度閉めてもいつの間にか少しだけ開いちゃう。

もうひとつは、『雨の鈴』。
小径の奥の家に住む女性。その女性は雨の日にだけ、その小径でチリンと鈴の音を聞き、黒い和服姿の女を目にするんですよ。
女性は小さい頃からこの世ならざる存在を見ることはあったけれど、その和服姿の女ほどにはっきりと存在を感じて見えるってことはそれまでなかったんですね。
雨のたびに見かける場所が違う女は、でも確実に自分の家に近づいて来ている。
そうして、やがてその女がかつて訪れた家の人に話を聞くんです。

「お悔やみ申し上げます」

そう言って、玄関に現れる和服姿の女の話を。

気になる!って方は読んでみてくださいね。短編集なのでさくっと読めます。

一通り読み終わると、最後の二話の内容のせいもあって、結局生きてる人間が一番こえーな!って思ったんですが。

『残穢』ほどがっつりとした話ではないので、そこで同じ怪異系のお話でも好みが分かれるのかなぁ。

通勤時などの刻んだ時間で読むにはちょうどいい本でした。
 

ところで、PC閲覧ならサイドバーTOP、スマホ閲覧なら記事の下の方に、気になる本やら次に買おうかなって思ってる本やらを掲載するようにしました。
お、これは読んだよ!って方は、どうだったか教えて頂けると嬉しいです♡
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